結局GLP-1ダイエットって危険なの?①(薬の説明編)

最近巷で話題のGLP-1ダイエットですが、どんな作用があるのか、どんなリスクがあるのか気になる人は多いのではないでしょうか。
今回の記事ではこのGLP-1について詳しく掘り下げていきます。GLP-1ダイエットに関する長編となっております。以下に見出しを載せていますので、気になるところだけ読んでもよし、医療者であれば全て読んでもよし、な内容となっております。

結局GLP1ダイエットって危険なの?①(薬の説明編)

結局GLP1ダイエットって危険なの?②(リベルサス誕生秘話編)

結局GLP1ダイエットって危険なの?③(糖尿病患者に関する研究編)

結局GLP1ダイエットって危険なの?④(健康な人が飲んだら…編)

結局GLP1ダイエットって危険なの?⑤(結論編)

GLP-1ってどんなもの?

それでは早速GLP-1について説明をしていきます。
GLP-1は小腸のL細胞から分泌されるインクレチンホルモン(膵臓からのインスリン分泌を増加させるホルモン)です。

インスリンが分泌されると細胞内に糖分が取り込まれることで血糖値が下がります。体内で直接血糖値を下げられる唯一のホルモンがインスリンです。

グルコース(糖分)の濃度に依存して膵臓のβ細胞に働きかけてインスリンを分泌させるため、GLP-1は主に食事をした際に血糖降下作用を示します。血糖値が高くならないとGLP-1は分泌されず、インスリンも分泌されません。

その他にも、GLP-1は膵α細胞からのグルカゴン分泌を抑制します。グルカゴンは肝臓においてグリコーゲン分解と糖新生による糖の産生と放出を促進することによって、血糖を上昇させる働きがあります。従ってGLP-1はグルカゴン分泌を抑制することで血糖の上昇を抑える働きがあります。また、消化管において胃運動抑制効果や、中枢において視床下部に働きかけて食欲を抑制する作用もあります。

GLP-1ダイエットは糖尿病の薬だから低血糖が怖い?

多くの人が気になっている点ではないでしょうか。糖尿病の薬って聞くとなんだか怖いですよね?
まずは低血糖と糖尿病の薬の関係について簡単にまとめていきましょう。

糖尿病の治療薬は様々ありますが、糖尿病の治療薬は大きく分けて下記の4種類に分類できます。

*SU薬やインスリン製剤と併用することによって低血糖のリスクが上昇するもの

一般に糖尿病の薬といっても、全ての薬剤が直接血糖を下げる薬ではないのです。中でもDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬は血糖値の上昇に応じてインスリン分泌を促すため、その他の血糖降下薬と比較しても低血糖のリスクは起きにくいとされています。

「糖尿病の薬=低血糖になる」は必ずしも成立するわけではないのです。

つまり、他に糖尿病薬を服用していない健常人がGLP-1受容体作動薬を内服して低血糖を起こすとしたら、薬剤の服用によって直接的に低血糖になったというよりは、食欲抑制効果が効いてほとんど食事を取らなかったり、減量目的での絶食に伴う低血糖のことがほとんどなのです。

次の記事ではリベルサスの開発せれた経緯を説明しつつ、薬の特性についても迫っていきましょう。

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医療広告に関して

 国内承認薬ですが本国では現在適応外使用となります。
 当院で処方している薬剤はいずれも全て国内正規卸より入荷しております。
 アメリカでは既に肥満症薬と使用されており、後述の副作用説明記事にも記載の通り、現段階では大きな有害事象は確認されておりません。

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結局GLP1ダイエットって危険なの?②(リベルサス誕生秘話編)

結局GLP1ダイエットって危険なの?③(糖尿病患者に関する研究編)

結局GLP1ダイエットって危険なの?④(健康な人が飲んだら…編)

結局GLP1ダイエットって危険なの?⑤(結論編)

・参考 読み物

リベルサスの副作用 吐き気の対処法

リベルサスが効かない時(リベルサスの効果的な服用方法)

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